膵臓がんの原因と症状は?治療方法は?

医師

膵臓がんは、毎年3万人以上が死亡している病気で、2013年の臓器別ガン死亡率は4位で、食生活の欧米化や生活習慣の変化などにより、年々増加傾向にあります。

 

膵臓は、肝臓と同様に「沈黙の臓器」と呼ばれており、悪くなっても症状が出にくい臓器。

 

そのため膵臓がんの早期発見は難しく、実際に約8割は最も進行してしまった状態で発見されており、5年生存率も10%程度というひじょうに怖い病気です。

 

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膵臓がんの原因は

膵臓がんの原因は、「生活習慣」「他の膵臓関連の病気」「遺伝的要素」があげられます。

生活習慣

主に「肥満」「喫煙」「多量のアルコール摂取」が原因とされています。
膵臓がんの発症リスクが、標準体重を判定するBMI値(※)が30以上では3.5倍、お酒を1日3杯(日本酒2合弱)以上飲んでいる人は1.2倍、1日に40本を超える喫煙をする人は3.3倍というデータがあります。

※BMI値の計算式・・・体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}
(例)身長170cm 体重80kgの場合・・・・80÷(1.70×1.70)→BMI値は約27.68

他の膵臓関連の病気

膵臓がんと関連性が高いのが糖尿病で、膵臓がんを患う人の4人に1人程度は、既往症に糖尿病があり、既往症がない人に比べると、膵臓がんの発症率は1.8倍というデータもあります。

 

他に慢性膵炎とすいのう胞も膵臓がんに繋がる可能性の高い病気です。既往症がない人と比べて、慢性膵炎は1.3倍、すいのう胞は22.5倍も膵臓がんの発症リスクが高くなると言われています。

 

これらの病気を持っている方は特に注意が必要ですので、ちょっとした症状にも気をかけたほうが良いでしょう。

遺伝的要素

膵臓がんの遺伝によるリスクについてはいくつか研究結果が発表されており、第一度近親者(両親、兄弟、姉妹、子供)に膵臓がんにかかった人がいると、自分がかかるリスクも高まることが分かっています。

 

第一度近親者の1人が膵臓がんにかかるとリスクは2.3倍、2人だと6倍、3人以上だと32倍もの発症リスクがあるそうです。

 

初期症状はほとんどない!?

膵臓がんの特徴といえば、初期段階では自覚症状を感じにくいというところでしょうか。
実際、膵臓がんの発見が比較的早かったという患者さんの中でも、
20%の人は症状を全く感じなかったと言っているほどです。

 

このように自分では気づきにくいものでありながら、
進行するのが早いと言われているため、厄介な病気であるわけですね。

 

ちなみに、膵臓がんの初期症状として感じられやすいのは食欲不振や腹痛、背部痛などです。
ただ、このような症状は他の病気でも起こりやすいものであるということもあって、
なかなか膵臓がんに結びつけにくいというのも、気づきにくい原因となっているのでしょう。

 

膵臓がんは進行してくるとどんな症状が出てくるのか?

膵臓のどこにガンができるかによって、症状の感じやすさなどが異なってくるといいます。

 

まず、十二指腸の近くにできる膵頭部ガンと呼ばれるもの。
これは膵臓がんの中でも最も症状を実感しやすいと言われています。

 

主に現れてくる症状は黄疸や腹痛、体重減少です。
十二指腸の近くにガンが出来てしまうと、消化に必要な膵液の流れが悪くなるため、
食べ物の消化などが正常に行われなくなってしまいます。
その結果、栄養素が吸収されなくなり、どんどん痩せてしまうのです。

 

その他の部位…体部や尾部にできるガンですが、
これらは自覚症状が起こりにくいとされているため、発見するのが難しくなるガンです。

 

症状としては膵頭部にできるものと同様、黄疸や腹、腰、背中の痛み、体重の減少などがあげられます。
また、消化不良により脂肪便や便秘、下痢、吐き気、嘔吐が現れることもあります。

 

膵臓がんの治療法は

膵臓がんの治療方法には、「手術」「化学療法」「放射線治療」の3つがあります。

手術

がんに侵されている膵臓部分やその周辺のリンパ節などを切除するもの。がんを取り除く方法となりますので、最も高い治療効果が得られます。

化学療法

点滴や内服薬などで抗がん剤を体内に入れることで、がん細胞の増殖を抑えるもの。痛みを軽くし生存期間を長くする効果が証明されています。ただ、嘔吐や倦怠感、脱毛、免疫力低下などの副作用もあるため、それらの症状をおさえるための治療も同時に行われます。

放射線治療

高エネルギーの放射線で、がん細胞の遺伝子を傷つけることで破壊していくもの。がんが重要な血管を巻き込んでいるなどの理由で、手術により切除できない時に行われます。

 

 

膵臓がんには進行状況によって、下記のとおりステージ分けされており、そのステージによって治療方針が決められます。

ステージ1 がんの直径2cm以下。膵臓の内部にとどまっている。
ステージ2 がんの直径2cm以上。膵臓の内部にとどまっている。または2cm以下で膵臓内にとどまっているが、周囲のリンパ節に転移している。
ステージ3 がんが膵臓の外側に少し広がっているがリンパ節に転移していない、またはがんが膵臓の内側に留まっているが広がっており、リンパ節に転移している。
ステージ4A がんが胃や脾臓など膵臓周辺の臓器や組織にまで広がっている状態
ステージ4B がんが肺・肝臓など膵臓から離れた臓器にまで転移している

 

基本的にステージ3までと、4Aの一部の場合に手術を行ったうえで、再発防止のための補助として化学療法や放射線療法を行います。

 

ですが、膵臓がんは3年以内に再発する可能性が高い病気で、5年生存率は10〜20%程度・・・手術でがんを取り除いたとしても、厳しい状況は続くことになります。

 

手術ができないステージの場合、手術をしたとしてもかえって短命になってしまうことが多いため、化学療法や放射線療法、緩和ケアを中心とした延命目的の治療が行われることとなります。

 

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